歯ぎしりには自覚症状が無い場合が多く、他人に指摘されて初めて気付くことが多いものです。
夜中に「ギリギリ」と歯を擦り合わせる音は他人の睡眠妨害を引き起こしたり、それを指摘されたりして、友人と旅行にも行けなくなってしまう人もいます。
また歯ぎしりは歯や顎にも大きな負担がかかり、さまざまな二次障害を引き起こすため、決して放置してよいものではありません。
では、歯ぎしりをしてしまう原因とその影響、そしてその解消法を紹介します。
歯ぎしりの原因とは……
原因にはメンタリティが関わっている場合が多く、ストレス、いつもイライラしてしまう性格、不安や心配を抱えているなどの要素が身体に反映し、歯ぎしりになって表れます。心に抱えたものを発散するところが歯にいってしまうわけです。
また、歯科医院での虫歯などの治療で歯のかみ合わせが悪くなり、その違和感で歯ぎしりをしてしまうことも考えられます。
歯ぎしりの種類
歯ぎしりには種類があり、一般に「歯ぎしり」と呼ばれるのは睡眠時に「ギリギリ」と歯を擦り合わせるタイプで「グラインディング」と呼ばれます。グラインディングは大きな力で歯をこすり合わせるため、歯には異常なすり減りがみられ、歯根の破折を引き起こすこともあります。
そのほかに、上下の歯を強く噛みしめ音を出さない「クレンチング」や、歯をカチカチと鳴らす「タッピング」などの種類があり、これらを総称して、専門用語では「ブラキシズム」と呼ばれています。
放置しておくことのリスク
歯ぎしりが原因で頭痛や肩こり、顎関節症などの病気を発症することがあります。
顎関節症になると、顎の関節がスムーズに動かなくなり、顎の痛みや口が開かないなどの症状が出ます。顎に強く力を入れる歯ぎしりが顎を傷めるのです。
また歯ぎしりをし続けることで顔の筋肉が発達しエラが張ったりと、美容の面でも悪影響を及ぼすことがあります。
歯ぎしりの解消法
まずは、できるだけ歯ぎしりの原因の解消に努めましょう。また、ストレスを溜めないように就寝前にリラックスした時間を作ることや、顎や頬を軽くマッサージして筋肉を揉みほぐすことも有効です。
そして、さらに効果的なのがマウスピースの使用です。
オーダーメイドのマウスピース
自分に合ったマウスピースを使うことが効果的です。
マウスピースを作るには歯科医院を受診し、虫歯などがあれば治療を済ませてから、上下顎の型を取り、その型をもとに歯科技工士が作製します。1、2週間程度で歯科医院に届き、最終的にフィット感を確認して、出来上がりです。現在ではコンピューターで精密な数値をもとに歯型を作るところもあり、フィット感は大変良いものです。
そして、マウスピースは夜間の就寝中に装着し、無意識にしてしまう歯ぎしりによる歯や顎、そのまわりの筋肉の負担を軽減します。歯科医院では、歯ぎしり防止のためのマウスピースを「ナイトガード」と呼んでいます。
お値段は保険適用であれば5000円程度、適用ではない自費治療になると、5千円~3万円程度です。
歯ぎしりを放っておくとさらに悪化し、顎だけでなく、身体の他の部分にまで支障が出てきてしまいます。ストレスのはけ口が歯ぎしりの原因のひとつであることも踏まえ、日々の生活ではリラックスを心がけましょう。
そして、顎や歯に違和感を感じ、少しでも気になる方は、まずは歯科医院で受診することをおすすめします。