歯科技工士対談

個人の限界をチームで超える
最高の瞬間をくれるのがデジタル技術

——大嶋 隆也さん

大嶋

crico（株）というゲーム制作会社でプロジェクトマネージャーをしている大嶋隆也です。

森田

こんにちは！歯科技工士の森田麻美です。私はゲームやゲームのキャラが大好きなので、今日は制作側の方のお話しを聞けるのをとても楽しみにしてきました。さっそくですが、ゲームってどうやって作られるんですか？

大嶋

ゲーム制作には大勢のクリエイターが関わります。例えばシナリオ担当、イラスト担当、映像やアニメーションの担当、3DCG担当．．．僕はそれらをまとめるシナリオ寄りのプロジェクトマネージャーで、ストーリー全体の流れや、キャラが魅力的になっているか等のチェックをしています。

森田

大嶋さんがこの世界に入ったきっかけは？

大嶋

もともとＳＦやジュヴナイルが好きで自分でも小説を書いていたんですけど、自分の頭の中にある世界観をいちばんリアルに表現できて、みんなに体験してもらえるツールとしてゲーム制作に行き着きました。

森田

「好き」が仕事になったわけですね。ゲームを作る仕事をしていて最高の瞬間ってどんな時ですか？

大嶋

何といってもチームで作り上げる楽しさです。僕は今までに色々なものを作ってきましたが、個人の活動では表現の限界を感じていました。なのでさまざまな専門技術を持ったデジタルクリエイターたちとネットで世界観を共有し、クライアントの期待を越える作品を作り上げることができたときが最高の瞬間ですね。

３D CADで歯をデザインしているときは、
めっちゃ没頭してる

——森田 麻美さん

森田

別の場所に居ても対戦ゲームを楽しめるのもデジタル技術があるからですよね。私もやり始めると時間を忘れて、気がつくと何時間も経っていることがあります（笑）実は、歯科技工業界でも今デジタル化が進んでいて、会社での私のメインの仕事はPCを使って歯をデザインすることなんです。

大嶋

そうなんですか。歯科技工はコツコツ手作りってイメージでしたけど。

森田

歯をデザインする専用ソフトがあって、患者さんの歯型をスキャンして、マウスを動かしながらPC画面の歯を理想的なフォームや噛み合わせに設計していくんです。この操作はゲームのキャラクラターを動かしているようで、気がつくとめっちゃ没頭しています。

大嶋

確かに似てますね。僕たちはキャラクターに命を吹き込むことに没頭しますが、森田さんは患者さんにぴったり合う歯を作ることに没頭しているんですね。

森田

自分が作った歯が患者さんに渡って、それを使って毎日の生活を送る人がいることを思うと、とてもやりがいを感じます。ゲームも大嶋さんみたいな人たちが最新技術を使って情熱を持って作り上げたものだから、世界中の人たちがこんなに夢中になるんだって分かりました。