歯科技工士としての道を検討するうえで、気になるのはやはり「給与」ではないでしょうか。
年収や月収がどれくらいもらえるのか、初任給はいくらなのかなどは働くうえで把握しておかなければならないポイントです。
そこで、今回は歯科技工士の具体的な給料をご紹介します。
平均年収や月収、初任給などの金額をはじめ、歯科技工士で給与を上げる方法や、歯科技工士としての働き方などについても解説します。
歯科技工士という職業に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
その前に歯科技工士の業務内容について説明します。
●最短2年で取得できる歯科技工士の業務内容
歯科技工士は、最短2年で取得できる歯科医療の国家資格であり、医療技術専門職です。
主な仕事内容は下記の通りです。
①欠けたり無くなった歯を補うために歯の被せ物を作り歯の形や機能を回復します。
②抜けた歯や歯ぐきをつくるために入れ歯を作り歯の機能を回復します。
③歯並び・噛み合わせを整えるために矯正装置やマウスガードを作成します。
歯科技工士は歯科医療の一翼を担い、患者さんの口腔内の健康と審美的な改善に寄与する専門家です。歯科技工士の専門知識は、患者さんが自信を持って笑顔をつくり、適切な噛み合わせと口腔機能を維持するのに不可欠です。
●リモートワークが認められている歯科技工士
歯科技工士は、日本の超高齢化社会の中で質の高い歯科医療を提供するために一定の条件を満たした場合にリモートワークが認められる国家資格です。
このリモートワークにより歯科技工士を取り巻く状況は大きく変化しており、歯科技工士が働きやすい環境づくりや、歯科技工業務の効率化が図られています。
記事の概要
歯科技工士の平均年収・月収
歯科技工士として働く場合、年収や月収はどの程度もらえるのでしょうか。
さっそく、具体的な給料を解説します。
●平均年収は約429万円
歯科技工士の年収は全国平均で約429万円です。(厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag調べ)2022年の平均年収が300万円~400万円台であることを踏まえると、歯科技工士の年収は平均よりも高めであるといえます。
歯科技工士といっても、働く場所や勤務体系などによって年収が異なるのが事実です。ボーナスの頻度や額、年齢などで平均年収は大幅に変わるので、目安として参考にしてみてください。
●平均月収は約26万円
歯科技工士の平均月収は約26万円と言われています。(厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag調べ)
歯科技工士は医療系の専門分野でもあるため、比較的若い世代でも月収が一般平均より高めとなることもあります。
歯科技工士の初任給は??
歯科技工士の初任給は、18万円台~20万円台が多い傾向にあります。
(令和2年賃金構造基本統計調査・初任給は日本歯科技工士会作成の賃金モデルより)
初任給における金額の差は、専門卒・短大卒・大学卒の場合でも一般的な平均額と大差はありません。ただ、専門性のない職業と比較すると、歯科技工士は医療の国家資格で専門性が高く、働き先が多いので収入面での不安は感じにくいでしょう。
歯科技工士の年齢別平均給料は??
歯科技工士の平均給与は、年齢によって異なります。
具体的な年齢別平均給料は以下の通りです。
20~24歳 | 297万5千円 |
---|---|
25~29歳 | 331万1千円 |
30~34歳 | 378万1千円 |
35~39歳 | 426万2千円 |
40~44歳 | 401万1千円 |
45~49歳 | 476万9千円 |
50~54歳 | 480万8千円 |
55~59歳 | 456万4千円 |
60~64歳 | 566万8千円 |
65~69歳 | 680万1千円 |
それぞれの給料額を見てみると、年齢が上がるにつれて給料が上がっています。
経験を重ねて技術を上げることで給料が上がっていくでしょう。
歯科技工士で給料を上げるには??
(1)歯科技工士としての技術を上げる
歯科用のCAD/CAM等パソコンで歯を作成するための最新技術を学ぶ必要があります。歯科医療業界のデジタル化に対応する人材が求められています。
その他にも審美歯科医療による歯を自費診療で患者さまに作成するための技術を上げることで収入を上げている歯科技工士もいます。
(2)独立開業を目指す
歯科技工士は、開業権が認められている歯科医療の国家資格です。
歯科技工士として独立して歯科医院から受注を受けることができれば、安定した収入を得ることができます。自身の得意分野(インプラント・審美歯科・スポーツマウスガード)を持つことができれば、売り上げや収入が安定しやすくなります。
歯科技工士が開業するには、開業資金が必要になります。近年、歯科医療業界のデジタル化により開業のための設備投資(CAD/CAM・3Dプリンター等)が増える傾向にあります。
そのような背景から歯科技工に必要な設備・機器について共同利用をするためのシェアラボという施設もあります。いずれにしても開業を行うには、入念な資金計画と仕事を得ることができる技術を身につけておく必要があります。
歯科技工士の働き方は??
歯科技工士は、医療系の国家資格の中で唯一リモートワークが認められている職業です。
実際、会社に勤めながら子どもの急な体調不良で出勤ができなくなった場合に出勤での勤務ではなく、リモートワークでの勤務に切替えることができる企業があるのも歯科技工士の魅力です。多様な働き方があるのは、歯科技工士ならではといえます。
まとめ
歯科技工士の給料は、医療分野の国家資格と比較しても平均的な給料といえます。
今後、超高齢化社会の日本では、多くの歯に関する需要が予想されます。
収入面で不安に感じることは少ないでしょう。
歯科技工士を検討している方は、ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。
歯科技工士は国家資格が必要な仕事です。専門学校や大学、短大などの歯科技工士教育機関で、所定の科目を2年以上学ぶと国家試験の受験資格が得られ、国家試験合格者には厚生労働大臣より技工士免許が与えられます。国が認めた資格を持って仕事ができるので社会的な信用もあり安定した仕事と言えます。